中国の変化は激しい。あらゆる面において変化のスピードが加速している。 人間が作り上げる企業という組織における人や労務管理に係わる側面、即ち、人的資源管理(ヒューマン・リソース・マネジメント)という側面も例外ではない。 ここに、中国で出版された1冊の本がある。『跳槽与反跳槽』(江洪明編著、中国言実出版社、2000年)という本である。このタイトルは、『ジョブ・ホッピングとその対策』とか『転職と転職防止策』などと訳せよう。社員が離職してしまうこと、あちこちの会社を渡り歩くことを中国語では、「跳槽」と言うが、この言葉の原義は、馬があちこちの飼い葉桶をちょっとづつ食べることだったらしい。中国人もこのような馬の行動をお行儀が良くないと見ていたらしく、この言葉には、「今の女を捨て、新しい女に鞍替えする」という派生的な意味も生まれている。したがって、この言葉が元々持っていたイメージは後ろめたく、暗い……
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田中 則明