先月開催された中国共産党第17回党大会で2002~2012年の総書記の任期半ばを迎えた胡錦涛政権は、大会報告の中で「経済建設」、「経済成長」といった言葉を「経済発展」と置き換え、また2020年には「1人あたりGDP」を2000年の2倍にするという表現に置き換えた。国全体のGDP総額としては日本を追い越す規模を目指す従来の目標に変わりは無いが、国民1人あたり水準で見れば世界で60位前後、ブラジルと同等ぐらいの経済目標、という表現上の言い換えである。 1.党規約改正にみる今後のキーポイント 中央党学校長の経歴も持つ胡錦涛総書記は第17回党大会において党規約を改正を提議し承認された。話題となっている今回の党中央委員会の人選、政治局員、中央常務委員の人選、あるいは江沢民以前のような憲法改正よりも、今回は現役在任中に党規約を書き換えたことで、胡錦涛総書記の立場が強まり、主張する論点も本質的な重みを増し、絶対的な……
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筧武雄