はじめに 本稿では、預金準備率引上げをめぐる論評と国家発展・改革委員会の物価対策及び国務院全体会議の動向を紹介する。 1.金融政策(1)預金準備率の引上げ1月16日、人民銀行は預金準備率を1月25日から0.5ポイント引き上げ、15%とする旨を発表した。2007年末の金融機関預金残高は38.94兆元であり、6633億元の財政関連預金を除くと、今回の措置により約1900億元の資金が凍結されると考えられている(21世紀経済報道2008年1月17日)。 2008年1-3月期は、満期がくる中央銀行手形の総額が1兆2670億元にも達し、1月は5860億元、2月は1150億元、3月は5660億元とされている(新華網上海電2008年1月17日)。このため人民銀行は一連の公開市場操作で5000億元以上の資金を回収している[1]。今回の預金準備率引上げはこのような自転車操業状態の中で実施されたわけであり、HSBC中国地区チーフ・エコノミストの屈宏斌は中央銀行は少なくとも今後19%まで……
●<会員の方へ>
引き続いてこの情報をご覧になる場合はこちらをクリックして会員ID、パスワードでのログインをしてください。
<非会員の方へ>
ビジネス情報の閲覧は会員の方のみとなっております。入会をご希望の方はこちらをクリックしてください。
田中 修