中国を理解するための三つのキーワードの三点目は「歴史悠久」、つまり「悠久の歴史」を抱える大国ということである。中国は有名な世界四大文明のひとつ、黄河文明発祥の地であるが、その最古の人類遺跡は中国大陸の中央にある湖南省城頭山廟遺跡といわれている。その年代は紀元前6,400年ということで、紀元前3,000年頃と言われる四大文明をはるかにさかのぼる以前から中国大陸には人類の祖先が暮らしていたことになる。現在確認されている中国最古の王朝は「殷鑑遠からず」という諺でも有名な「殷王朝(紀元前1,700年頃)であり、その首都は「商」という地名だった。すなわち、「商人」という言葉の語源はもともと「商の都に住む人」という意味で、いかにも「中国商人」のルーツとしてふさわしいネーミングである。ちなみに中国のことを英語でChina(チャイナ)と呼ぶ語源は「秦(チン)王朝」から来たという説と、陶器(チャイナ)で有名な景徳鎮が「江南(チャン……
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筧武雄