ここのところ、指導者の沿海部視察が相次いでいる。その内容を紹介するとともに、視察の意図について考察したい。
1.温家宝総理
7月4-6日、江蘇省・上海市を視察した。4-5日は無錫・蘇州のハイテク・紡績企業、農村を調査し、5日午後には上海に入り埠頭・大橋の建設状況を視察した後、聯合利華・旅行サービスセンター・上海光源実験室を見学した(新華網北京電2008年7月6日)[1]。
視察の中で、温家宝総理は次のように言及している。
(1)経済の状況
今年以来、我々は国際経済情勢の不利な要因と、深刻な自然災害がもたらした困難を克服してきた。国民経済は、引き続きマクロ・コントロールの予期した方向に発展しており、総体と……
田中 修