はじめに
国家統計局は4月10日、2006年の実質成長率を11.6%、2007年を11.9%と、それぞれ0.5ポイント上方改定した[1]。どちらも0.5ポイントというのはいかにも不自然であり、2007年の改定値が高すぎたため、2年間に均等配分したのではないかとの疑問が残るが、いずれにせよ、2007年の成長は12%に迫っていたわけである。
他方で、4月1日に発表された「国務院2008年活動要点」は、これまでの2つの防止(経済過熱防止・インフレ防止)に加え、「経済下降の防止」を始めて打ち出した。これについて、中国証券報2008年4月9日は詳細な解説を加えている。中国経済のどこに懸念が出ているかがよく整理されているので、以下記事の内容を紹介しておきたい。
4月1日に発表された「国務院2008年活動要点」の中で、国務院は「経済の下降を防止しなければならない」と提起した。これは、近年初めてのことである。これは、わが国……
田中 修