はじめに
国務院2008年活動要点で、マクロ・コントロールの目標として従来のインフレ・経済過熱の防止に、新たに経済の下降(中国語では「下滑」)の防止が追加された。また、4月16日には第1四半期の主要経済指標が発表され、これを受けて国務院常務会議が開催されたほか、人民銀行は預金準備率引上げを発表した。本稿では、これらの動きを紹介する。
1.1-3月期の経済情勢
1.1 統計数値
(1)GDP
実質成長率は10.6%とやや鈍化した。
(2)投資
全社会固定資産投資は前年同期比24.6%増(伸び率は0.9ポイント増)であった。うち、都市部は同25.9%増(伸び率は0.6ポイント増)、不動産開発は同32.3%増(伸び率は5.4ポイント増)と不動産を中心に加速している。
(3)消費
社会消費貧小売総額は前年同期比20.6%増と大きく伸びた。
(4)物価……
田中 修