今年3月の全人代が閉幕した後の記者会見で、温家宝首相は「意外」の発言をした。「国内外の不確定要因が多い」ことを理由に、中国経済にとって「今年は最も困難な一年」との発言である。今年6月に、温首相は中国経済の現状について「予想よりうまく行っている」との認識を示したが、さる7月17日に国家統計局が発表した上半期の中国経済統計からみれば、温首相の予見はかなりあたっているといえる。輸出の変調がその端的な例である。
GDP成長率に影響する輸出の減速
中国経済は2003年から昨年(2007年)にかけて5年連続で二桁の高成長を続けていたが、これを支えていた要因の一つに輸出の拡大がある。中国税関によると、2003~07年の5年間における中国輸出の前年比伸び率は、30%にも達している。2004年(前年比35.4%増)をピークに……
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馬成三