現実問題として、「農転非」の戸籍移動は従来から非常に困難な状況にあり、農村から都市へと出稼ぎに出てくる農民たち(いわゆる「農民工」)は都市戸籍がもらえないために、都市の公営住宅に住めず、社会保険も適用されず、子女の教育すら受けられないという環境におかれてきた。したがって、出稼ぎ農民のほとんどは低賃金の肉体労働や家政婦労働、あるいは露天商等を営むしかない状況におかれてきた。民工の子供たちが空き地や倉庫などで「民工学校」を開いても、それは違法行為として公安に取り締まられてしまう。
日本ではちょっと考えられない……
筧武雄