「100年に一度」または「未曾有」と呼ばれる今回の金融・経済危機を前にして、「震源地」の米国をはじめ、先進国や新興国はそろって政策的対応に乗り出したが、中国政府の対応の迅速さには目を見張るものがある。2008年9月半ば以降、中国人民銀行(中央銀行)が金融政策を引き締めから緩和へと転換したことをはじめ、中国政府は矢継ぎ早に一連の景気刺激策を打ち出している。
ワシントンで開かれた金融サミット(緊急首脳会合)直前の2008年11月9日に、中国政府は内需拡大を図るべく、2010年末までに総投資額が4兆元(約57兆円)にのぼる大規模な景気刺激策(年内に1000億元を実行)を発表し、国際社会から大きな反響を呼んだ。
同年12月に開催された中央……
馬成三