前回は、金融危機の現在、製造業にとって影響の大きいと考えられる固定資産の減損を取 り上げた。今回は基本に戻り、新準則の下での固定資産の認識と測定、さらに2009年から 開始された固定資産の増値税仕入税額控除の会計実務を掘り下げてみることにしたい。
中国における固定資産の定義は、新準則・新税法上「生産経営のために保有し、使用期間 が一年以上」でほぼ一致している(表1)。ただし金額の小さな工具・用具・備品等は、 一年を超えても実務上は棚卸資産(消耗材料)に計上する。
表 1:固定資産の認識
新企業会計準則
新企業所得税法
保有目的
商品の生産、役務の……
斉藤 孝史