中国ビジネスに長らく携わっている者なら、中国社会に根付いた事業経営と国内市場の 販路開拓を進めるうえで、中国の伝統習慣、国民性をよく理解し、経営と営業に生かして いくことが極めて重要なポイントであることは身をもって知っているはずである。特に、 日本人として痛感させられるのが、いわゆる「農暦」、つまり「旧暦」にもとづく伝統的 な催事である。
これから一年間、「中国ビジネス歳時記」と題して毎月の中国の行事、伝統、商習慣な どについて連載解説したい。
中国は1949年の建国当時から新暦(太陽暦)を公式に採用しているが、庶民生活、特に農 村部においてはいまだに旧暦(太陰暦、農暦ともいう)が幅広く使用されている。 太陰暦は月の満ち欠けを1か月として計算するため、1年は354日となってしまうが、太 陽暦365日との誤差は3年に一度「閏月」を設けることで調整されている。
<……筧武雄