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第４　執行状況

１．概要 独禁法実施以来、2009年6月末までに、商務部は、58件の経営者集中申告を受け、46件の審理を終了し、そのうち、無条件に認可したものが43件、条件付きで認可したものが2件、集中を禁止したものが1件であると公表されている[1]。その他、商務部反独占局のウェブサイト上で確認する限り、2009年7月以降現在までに、条件付きで認可された経営者集中が3件ある。

企業が買収、合併等により組織再編を行う場合において、独禁法上の「経営者集中」に該当し、申告標準に到達するときは、経営者集中につき事前に申告を行う必要があり、状況により自ら制限的条件を商務部に提出する必要が生ずることも予想される（後述３．（１））。そのような場合には、公告された事例[2]及び当該事例において付加された制限的条件に一定の参照価値があると思われる。そこで、本稿では、経営者集中が禁止された事例（後述２．）及び制限……

森　啓太