もうすぐ、リーマンショックから2年になります。このリーマンショックを境に、経済環境をはじめとして、様々なことが急激に変化しました。
不動産価格の上昇を引っ張っていた、大都市圏の不動産市況も同じく影響を受けました。住宅は売れなくなり、不動産会社の資金繰りが難しくなりました。自己資金に対する高い利回りを得るために、購入金額の80%~90%を外部資金(借金)でまかなっていたファンドも同様です。その結果、東京証券取引所に上場されている不動産会社など、多くの企業が倒産しました。
現在、事務所や店舗の賃料は、家賃負担力の低下などの理由で大幅に下がっています。元々家賃水準の高かった東京駅周辺の賃貸事務所では、新たに事務所を借りる際の賃料が、実質的に2割・3割と下がった物件が多くあります。いまだに、景気の見通しは不透明です。
不動産は本来、10年・20年といった長期的な見通しの下……
釜口 浩一