No.1:蔓延し始めるストライキに対して日系企業はどう対処すべきか?
ここ数ヶ月間に連続して起こっているストライキは、言うならば、中国社会の構造的な歪みがもたらしている問題の解決を企業に求めた結果起きたものともいえるのである。これは本来企業が根本的に解決できるものではない。しかし、労働者はそれを企業に求める。
1.昇給には応じないことを明言する。弊所のこれまでの経験からすれば、初期段階で昇給拒否をはっきりと明言したところが意外とストライキが短期終結している。これに対し、昇給するかどうか悩んでいたり、昇給に柔軟な姿勢を示したり、日本本社の指示を仰いで回答待ちしているような会社は、労働者に下手な期待を与えることになり、ストライキが長期化しやすい。昇給を決定するのであれば、ストライキの場ではなく、別の機会に行うべきである。ストライキによる昇給が習慣化すると今後ストライキが頻発す……
王穏