農業戸籍を放棄したくない農民工 さる8月下旬、筆者は現地調査のため、北京、大連、瀋陽に行ったが、瀋陽であるタクシー運転手さん(以下はAさんという)と面白い会話を交わした。Aさんは、朝陽市(瀋陽市北60キロ離れた遼寧省中部にある県級市、以前は朝陽県)出身、40歳、家族3人で瀋陽市に暮らしている。本人と奥さんは農業戸籍、高校3年生の息子だけは瀋陽市戸籍だそうである。
息子さんはどうして瀋陽市の戸籍を取得できたかと聞いたところ、Aさんの説明では瀋陽市政府は不動産の販売を促進するため、瀋陽市でマンションを購入することを条件に、農村戸籍を持つ人でもその家族全員が瀋陽市の戸籍を取得することを認めるという。 Aさんは瀋陽市でマンションを購入したので、本来Aさん夫婦と息子は全部瀋陽市の戸籍を取得することができるはずだったが、Aさん夫婦は、息子だけに瀋陽市の戸籍を取得させ、親として農村戸籍をそのまま……
馬成三