はじめに 本稿では、人民銀行周小川行長の一連の発言と、差別的な預金準備率引上げを解説する。
1.人民銀行周小川行長の発言 周行長は10月8-10日、IMF・世界銀行総会に出席するためワシントンを訪れたが、その際数回にわたって人民元レート等の問題につき発言を行っている[1] 。その概要を紹介したい[2]。
(1)中国の最近の経済情勢 ①中国は国際金融危機の衝撃に対応する包括的計画と政策措置の実施を堅持し、国民経済は引き続きマクロ・コントロールの予期した方向へ発展している。構造調整は初めて成果が現れ、国際収支は均衡に向かっている。金融市場は平穏に発展しており、人民元レート改革は更に推進されている。中国は都市化を推進し、インフラ建設を増やし、環境保護を強化し、社会保障を整備する等の方面において、投入を増加させた。 ②中国は、内需拡大、都市化プロセスの推進、サービス業の発展加速等、一連の成……
田中 修