はじめに 本稿では1-9月期の経済指標を受けた、国務院・人民銀行の当面の経済・金融政策の検討状況を紹介することとしたい。
1.国務院常務会議(10月27日) 1-9月期の経済指標をもとに、今後数ヶ月の経済政策が議論された(新華網北京電2010年10月27日)
(1)情勢判断と今後の経済政策の基本方針 今年以降、複雑で変化に富む内外環境、極度に深刻な自然災害等各種の重大な試練に直面し、党中央・国務院は全局を総攬し、科学的に政策決定を行い、国際金融危機の衝撃に対応する包括的計画の実施を堅持し、経済発展方式の転換推進を加速し、マクロ・コントロールの重点・程度・テンポを正確に把握してきた。国民経済は引き続きマクロ・コントロールが予期した方向へ発展しており、経済の平穏で比較的速い発展の勢いは更に強固になっている。 同時に、経済社会発展において中長期に存在する深層の矛盾と、短期的な問題が一……
田中 修