はじめに 10月以降、中国の南方ではディーゼル油不足が出現し、2000件余りの民営ガソリンスタンドが油不足で業務停止に追い込まれた。このほか、9月からは、広西・広東・江蘇・浙江などの省で強制的な電力供給制限政策が実施された。 また、秋に入ると、食用油・野菜・綿花等の価格の大幅な上昇が出現した。国家発展・改革委員会のモニターによれば、10月に58品目の野菜の価格が上昇し、冬用の白菜も前年同期の3倍となり、食用油の価格は同5%前後の上昇となった。 さらに、年初から今までに、豆・ニンニク・ショウガ等の農産品価格の高騰現象が沸き起こった。調査によれば、この一部は投機及び共謀による価格吊り上げが原因である(新京報2010年11月18日)。 このようなインフレの高進に、ついに政府は総合的な物価対策を発動した。本稿ではその概要と、人民銀行の預金準備率再引上げを紹介したい。
1.国務院常務会議(11月17日)<……
田中 修