IV.租税条約
1.租税条約の概要
①租税条約とは? 租税条約とは、国と国との間で結ばれる税金上の取り決めのことである。正式には、「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府と○○国政府との間の条約」という。つまり名称からわかるように「所得」に対する租税に関して定めたものといえる。日本の租税で所得に対するものは、所得税と法人税が該当するので、租税条約の対象には一般的に消費税や相続税などは含まれない。(日米租税条約のみ、相続税の条約が含まれている)ただし、条約によっては、住民税など地方税が含まれるものもある。
現在、日本は約60ケ国と租税条約を締結しており、毎年、新規条約の署名や既締結の条約の改正など活発に行われている。しかし、イギリス、フランスは100カ国以上、中国も80カ国以上と租税条約を締結しており、日本の租税条約のネットワークはまだまだ遅れてい……
小嶋 大志