はじめに 人民銀行は、1月30日、10-12月期及び2010年の金融政策の実施報告を発表した。今回は、「穏健な金融政策」の含意について詳細に解説しており、興味深い。
1.人民元レートの変動 2009年12月末から2010年12月末までのレートの変動幅は、対米ドルが3%の上昇、対ユーロが11.25%の上昇、対円が9.20%の下落となっている。2005年の改革からの累計では、対米ドルが24.97%の上昇、対ユーロが13.71%の上昇、対円が10.09%の下落となっている。 また、国際決済銀行の計算によれば、2010年の名目実効為替レートは1.8%上昇、実質実効為替レートは4.7%上昇し、2005年からの累計では、名目実効為替レートは14.7%上昇、実質実効為替レートは23.2%上昇したとしている。
2.公開市場操作 2010年の中央銀行手形の累計発行額は4.2兆元であり、2.1兆元の資金を回収した。2010年末の中央銀行手形発行残高は約4兆元である。満期……
田中 修