第1回/中国での会計処理に与える具体的な影響/①売上
1.IFRSとは? 会計は「ビジネス言語」とも呼ばれるように、経済活動に関わりを有するすべての人々の間のコミュニケーションツールとして、経済社会における不可欠の存在となっている。そして今日の企業活動の国際化に伴い、国ごとに異なる会計基準に基づいた財務諸表によっては、国際間の適切な財務情報比較は困難となりつつある。このような状況のもと、会計基準の国際的な統一化を図るためにIASB(国際会計基準審議会)によって設定されたIFRS(国際会計基準)は、2005年よりEU域内市場で統一基準として採用され、その後現在までに世界110カ国以上で採用されるようになった。
2.IFRSと中国企業・日本企業の関係とは? 読者の方々は中国を中心としたビジネスに関わっている方が多いものと思われるが、中国内のビジネスであっても世界的なIFRS導入の流れと無関係とい……
中村 亨