昨今、「転職」は何も物珍しい現象ではなくなった。労働者の転職はそもそも企業にとって商業秘密漏洩のリスクを伴うが、それに加えて、労働契約法が労働者に偏りすぎることから、そのリスクは増すばかりである。こうした法律の保護不足もあり、多くの企業が競業制限に注目し、高級管理職、高級技術者等と競業避止契約を締結する方法を取り始めた。企業としては、法という武器を利用して自らの権益を守ることが必要である。
【判例】 王氏は石油系技術会社(以下「石油会社」という)と2年間(2008年7月1日から2010年6月30日まで)の労働契約を締結した。王氏は同社の高級技術者であることから、会社との間で締結した契約の中で王氏の退職後の競業避止義務を約定し、且つ会社は王氏が退職した場合、その月給の50%を競業禁止に伴う補償金として支払うことを承諾した。 2009年6月5日、王氏は離職し、その後石油採掘技術会社(以下「石油採掘会社……
王穏