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はじめに 　人民銀行は、4月6日利上げを実施した。1年物預金基準金利は0.25ポイント引き上げられ3.25％となり、1年物貸出基準金利も0.25ポイント引き上げられ6.31％となった。昨年から通算4回目、今年2回目の利上げである。本稿では、利上げの背景と、エコノミストの論調を紹介したい。

１．利上げの背景 　基本的はインフレ対策と考えていいであろう。多くのシンクタンクの予想は3月の消費者物価上昇率は5％を超えるとみており[1] 、預金の実質マイナス金利をできるだけ緩和することにより、預金からマネーが流出し投機に走ることを防止することが狙いと考えられる。 　東日本大震災の影響を強調するむきもあるが、人民銀行としてはまだ様子見の段階ではないか。確かに日本からの部品の調達難による中国国内での生産減少、日本の復興需要による物資の価格の上昇、日本の金融緩和の影響によりインフレの加速を懸念するむきもあるが、それは今……

田中　修