貨物の価値が持つ意味とは
加工貿易は、輸入原材料の保税認定、製品の輸出、外貨の消し込み等が関わるので税関にとっては監督管理の重点業務となる。同時に、中国では関連会社間取引に対する監督管理を強化しており、加工貿易による原材料の価値、製品価値等も重要視される。ここでは、加工貿易の規定違反における貨物の価値認定に重点をおいて述べていく。
1.加工貿易において中国内の原材料を保税原材料に代えて使用したため保税原材料が余ってしまった。この場合の価値認定はどのようになるのか。 加工貿易企業のA社は、保税制度を利用して50万米ドル価値の原材料を輸入し、且つ加工貿易の申告を行った。しかし、A社は当該50万米ドル分の輸入原材料を全ては生産に使用せず、一部中国内原材料を使用した結果、10万米ドル分の保税原材料が余ってしまった。税関は生産した製品価値は70万米ドルであるとしてA社に処罰を科……
王穏