はじめに 温家宝総理は4月13日、国務院常務会議を開き、1-3月期の経済情勢を分析するとともに、当面の経済政策を検討・手配した(新華網北京電2011年4月13日)。その概要は以下のとおりである。
1.経済情勢判断 「今年に入り、わが国経済は平穏な運営を維持しており、国民経済の出だしは良好である」としながらも、「現在の内外環境は依然極めて複雑であり、不安定・不確定要因も少なくない」として、次の点を指摘する。
(1)国際要因 主要国は成長を回復しているが、国際市場の食糧・石油等の大口商品価格が不断に上昇しており、インフレ圧力は新興経済国から先進国へ拡大している。世界経済はまだ正常の成長軌道に乗っておらず、現在新たな変数がいくらか出現している 。
(2)国内要因 物価上昇が比較的速く、インフレ期待が強まっている。不動産市場の成約量は縮小しているが、多数の都市の住宅価格はな……
田中 修