記事概要 IFRSが適用された場合に、具体的な会計処理にどのような影響が生じる可能性があるか財務諸表の主要な勘定科目ごとに検討する。第2回では特に有形固定資産・製造間接費といった、中国子会社における生産設備や製品製造に関する論点に焦点を当て、IFRS適用にあたって現地法人で求められる対応について解説する。
1.生産拠点としての中国子会社 一般的に、中国子会社は企業グループの重要な生産拠点と位置付けられることが多いと考えられる。第1回では中国子会社の売上取引について、IFRSが適用されると現地でどのような影響があり、それに対してどのような対応を求められる可能性があるかという点について解説したが、第2回では中国子会社の生産拠点としての論点、生産設備である有形固定資産や製品製造に関連する論点について解説する。
2.有形固定資産 IFRSが適用された場合に、有形固定資産に及ぶ影響としては、減価償……
中村 亨