中国における裁判実務(労働裁判)はどのようなものでしょうか。日本企業(日系企業)に不利な判決が下されやすいのでしょうか。今回は、筆者が中国で大学院に留学している際に、現地で実際に傍聴した労働裁判傍聴記です。
筆者は日本でも中国でも裁判傍聴を複数回しておりますが、その中で印象に残っている中国のある地方都市での労働裁判の傍聴体験を説明いたします。
1.基層人民法院(いわゆる地方法院)での裁判傍聴 それは中国のある地方都市でのことです。筆者は中国で昨年8月まで留学をしており、勉強の一環として、裁判傍聴に出かけました。
内容は、ある地方都市の地方裁判所に該当する基層人民法院(いわゆる地方法院)における労働裁判(労災事件)でした(本件では仲裁委員会の判断を不服として訴訟提起したのは従業員側であったため、基層人民法院での裁判となっていました。詳細は下記用語解説をご参照ください……
奥北 秀嗣