はじめに 4月20日、全人代常務委員会が開催され、謝旭人財政部長が「個人所得税修正案(草案)」を説明した。本稿では、その内容と高額所得者に対する課税強化の動きを紹介する。
1.個人所得税の改正(新華網北京電2011年4月20日) (1)税率構造の見直し 現行の個人所得税法では、給与所得につき5%から45%まで9段階の超過累進税率が適用されている。草案では、これを7段階に改め、15%と40%の税率を廃止し、5%と10%の低税率の適用範囲を拡大する。5%の税率対象の所得額は、現行の500元以下から1500元以下に拡大し、10%の税率対象の所得額は、現行の500―2000元から1500-4500元に拡大する。 また最高税率45%の適用範囲を拡大し、現行の40%の税率の対象所得を45%の税率の範囲に組み入れ、高所得者の調節を強化する。 試算によれば、2010年度と比べ、今回の調整により個人所得税の収入は100億元減少し、うち低所得者の税……
田中 修