さる4月末、中国国家統計局は相次いで2010年に行なわれた第6次全国人口センサス(国勢調査)の速報結果を公表した。世界一の人口数を持つ、豊富・廉価な労働力で「世界の工場」に浮上した中国だけで、今回の人口センサスの結果は内外から強い関心を集めている。
●世界で最も規模の大きい「国勢調査」 広大な国土を持つ、且つ流動人口が多い中国では、正確な人口調査を行なうには莫大な人員と資金を必要とする。馬建堂・国家統計局長によると、第6次人口センサスにおいて中国政府は約800万人の調査員を動員した(当初600万人を動員する予定だった)。指導要員や事務職員を含むと、1000万人に近いという。
国連の「世界の人口推計(2008年度版)」に登場した国・地域は230もあるが、その約6割にあたる137カ国・地域の人口数は800万人以下となっている。中国が今回の人口センサスで投入した800万人という数字は、人口数で世界第94位にラン……
馬成三