今回は、中国現場体験記(1)労働裁判傍聴記の続編として、地元労働局の面子について説明いたします。
1.事案概要 (当事者) 原告:中国人労働者 被告:日系企業(工場) (事案): ①2008年某日、中国人従業員が作業中、クレーンから貨物が滑り落ちた。 ②逃げ遅れた当該中国人労働者の足が貨物の下敷きとなり、病院で手術した結果、足の指を切断することとなった。 ③その後、2回目の手術も成功したが、現在は自宅で休養中というもの。 (労災認定の処理経過): ①2008年、会社所在地の労働行政管理部門で労災認定を受ける。 ②2009年、労働能力鑑定委員会で障害等級7級との鑑定結果を受ける。 ③その後、本人の申請により、労働能力鑑定委員会で、国家認定の安全補助器具を付けることが許可された。 ④2010年、原告側弁護士が労働仲裁の申立。要求は、ⅰ.安全補助器具費用、ⅱ.障害補助金、ⅲ.労災障害医療……
奥北 秀嗣