Q. 日本の部品メーカーC社は、地震の影響を受けて一時的な操業停止状態になり、日本の機械メーカーA社への部品提供を中断せざるを得なくなりました。部品不足に陥ったA社は、取引先の中国企業B社への機械提供ができなくなってしまいました。A社は不可抗力を理由として、B社に対して違約責任の免除を主張することができるのでしょうか。
A.
1 不可抗力の認定基準
「民法通則」153条および「契約法」117条によると、「予見不能」、「回避不能」、「克服不能」の3条件を同時に備える事由が不可抗力として認められます。しかし、具体的にどのような状況が「予見不能」、「回避不能」、「克服不能」に該当するのか、中国の法令はこれを明確にしておらず、学説でも意見が分かれています。実務上、地震、津波などの天災が不可抗力の典型例として認められています。
本件の場合、C社の下で不可抗力が発生したことが明らかだ……
韓晏元