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Q　中国で労働紛争を解決するには、目先の解決のみならず後を引かない解決方法を取ることが日系企業では特に重要となります。後を引かない労働紛争解決法とは具体的にはどのような方法でしょうか？

A　中国に進出している多くの日系企業では、様々な労働紛争が発生しています。労働紛争を解決したつもりであったのに、後を引いて解決したことになっていなかったことが多々あります。具体的には、労災紛争で解決金を払ったのに、家族が会社に乗り込んできたり、賃金引上げ交渉で、賃金を引き上げたのに、反感を買ってしまったり、ということがあります。では、このような事案でどのように解決を図れば良いのでしょうか。

本稿では、後を引かない労働紛争解決法の一案について検討いたします。

１．失敗例 （１）事例 とある日系企業（工場）では、昨年度まで中国人従業員の初任給は１，５００元でした（その地域の他の日系企業は……

奥北　秀嗣