Q 現地に進出している日系企業が、中国企業に対する債権回収を失敗する事例が多く発生しています。「いかに支払いを遅らせるか、あわよくば支払わないで済ませるかが、財経担当者の腕」と言われる中国においては、どのようにして自社の売掛債権を回収すればよいでしょうか?
A 中国における債権回収の現場実務としては、現地に進出している日系企業が中国企業等中国側との合弁企業であるか、日本企業のみが出資者である独資企業かによって異なります。また、合弁企業の中でも、中国政府当局(経済開発区政府等)との合弁か、国有企業との合弁か、一般企業との合弁かによっても異なります。債権管理を誰がどのように行っているかによって、債権回収方法が大いに異なってくるのです。
1.日系企業が債権回収に失敗する理由 日系企業が、中国国内での内地取引を拡大して行く中、与信取引(売掛取引)の拡大は避けては通れない課題です。……
奥北 秀嗣