はじめに 6月30日、全人代常務委員会は個人所得税の改正法を可決した。改正内容は、財政部の当初案から変更されている。本稿では、そのポイントを解説したい。
1.財政部税政司 王建凡副司長の説明(人民日報2011年7月1日) (1)改正のポイント ①控除費用基準を月当り2000元から月当り3500元に引き上げる。 ②給与所得の税率構造を調整し、9段階から7段階に調整し、最低ランクの税率を5%から3%に引き下げる。 ③個人事業者の生産経営所得と請負・借受け経営所得の税率階層を調整する。 ④納税期限を7日間から15日間に改める。 (2)社会生活への影響 ①中低所得納税者の負担を大幅に軽減した 控除費用基準を2000元から3500元に引き上げることにより、納税者数は現在の約8400万人から約2400万人に減少する。これと同時に、本法は給与所得の税率構造の調整を通じて、中低所得納税者の更なる減税を実現した。 ②高所得者に対する調節……
田中 修