はじめに 人民銀行は、7月7日利上げを実施した。1年物預金基準金利は0.25ポイント引き上げられ3.50%となり、1年物貸出基準金利も0.25ポイント引き上げられ6.56%となった。5年以上の貸出基準金利は7.05%と、7%を突破した。昨年から通算5回目、今年3回目の利上げである。本稿では、利上げの背景と、エコノミストの論調を紹介したい。
1.人民銀行貨幣政策委員会第2四半期例会(7月4日) 会議は当面の内外経済金融情勢を分析した。会議は、次のように認識した。現在わが国経済金融の運営はマクロ・コントロールが予定している方向に向けて発展しているが、経済金融の発展が直面する情勢は依然複雑である。世界経済は引き続き緩慢に回復しているが、直面するリスク要因は依然比較的多い。わが国経済は平穏で比較的速い発展を続けているが、インフレ圧力は依然高止まりとなっている。 会議は、次のことを強調した。内外経済金融の最新動……
田中 修