はじめに 本稿では、1-6月期及び6月の主要経済指標と、これを踏まえた経済情勢座談会・国務院常務会議の動向、エコノミストの反応について解説する。
1.1-6月期及び6月の主要経済指標 1-6月期のGDPは20兆4459億元であり、実質9.6%の成長となった。1-3月期は9.7%、4-6月期は9.5%であった。第1次産業は1兆5700億元、3.2%増、第2次産業は10兆2178億元、11.0%増、第3次産業は8兆6581億元、9.2%増である。前期比では、4-6月期は2.2%の成長である[1] 。 なお、国家統計局の盛来運スポークスマンは、経済成長率に対する最終消費の寄与度4.6ポイント(寄与率47.5%)、資本形成の寄与度5.1ポイント(寄与率53.2%)、純輸出の寄与度-0.1ポイント(寄与率-0.7%)であったとしている。 (1)物価 ①消費者物価 6月の消費者物価は前年同期比6.4%上昇し[2] 、5月より0.9ポイント加速した[3] 。都市は6.2%、農村は7.0%の……
田中 修