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コラム

日本の親会社から見た中国現地法人の内部統制 第1回

中村 亨

2011-07-22

1.はじめに

最近、北米で中国企業の不正会計疑惑が大きなニュースとなっている。ロイター通信によると、北米で上場している中国企業の相次ぐ不正会計疑惑に米当局が対応に乗り出し、米証券取引委員会(SEC)と米公開会社会計監視委員会(PCAOB)は、中国当局とこの問題を協議するため、代表団を北京に送り込むことを決めたとのことである。またカナダの証券監督当局も、国内に上場する外国企業を調査すると発表した。

上記のような事例が明らかになる以前から、日本の親会社から見て中国現地法人の経理体制は、不正経理や横領等のリスクを低減させるのに十分な水準で整備されているとは言えないと考えられていることが多い。その背景としては、中国の高い経済成長に支えられた市場の拡大に伴い、進出当初に比べて中国での取引や組織が複雑化しているが、財務・経理部門の責任者は進出当初から変わらず生産管理や営業部門の責任……

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中村 亨

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