Q アリババ社のCEOである馬雲氏が日中合弁企業であるアリババ社の董事会を経ずに、アリババ社の傘下にあるアリペイ社の出資持分権を自分の関連会社に譲渡した事件を聞きましたが、これは、中国の外資参入規制を回避するためのVIEモデルにどのような影響をもたらすのでしょうか。
A
1 アリペイ問題の経緯
2011年5月11日、米国ヤフー社によるアメリカ証券取引委員会への情報開示書類の中で、同社が出資を行っている中国のアリババ社が、その傘下のアリペイ社(中国語:支付宝)に対する出資持分権を、アリババ社のCEOである馬雲氏の別の関連会社に譲渡したことを明らかにしました。馬雲氏の関連会社は、純中国内資企業であり、アリババ社とはいかなる資本関係もなく、アリババ社の出資者であるヤフー社は、今回の譲渡を全く知らされていなかったとしています。 その後、アリババ社のもう1つの出資者である日本のソフトバンク社も……
韓晏元