敦煌を旅したときのドライバーは少数民族である回族でした。回族はイスラム教徒ですが、たとえば言葉などは漢族と変わりません。筆者はいつものように、観光客が行かないような、地元の店を選んで食事をしたり、現地の市場で買い物をしたりすることで、そこで出会う食材や雑貨などから街の雰囲気や民族性などを体験してきました。
今回は、筆者が敦煌の地元市場で出会った子供に関する現場体験記です。
1. 少数民族である回族 (1)少数民族に触れる旅 回族は中国各地で生活していますが、寧夏回族自治区は当然のこと、特に新疆ウイグル自治区のようなイスラム教色の強い地域や、イスラムと中国を結ぶシルクロードに位置する場所に多く居住しています。
本来は新疆ウイグル自治区トルファンから敦煌(柳園)へ向かうウルムチ始発の夜行列車(シルクロード鉄道)に途中乗車する予定だったのですが、列車の故障で出発の見通し……
奥北 秀嗣