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コラム

賃借権と抵当権、いずれが優先するか

劉新宇

2011-08-19

実務的観点からみた建物賃借人の利益保護

1.はじめに

「中国では、立地や商環境が良好で、抵当権のない物件を探すのは極めて難しい」という声が、工場建物や事務所、商業ビルなどの賃借を考える企業の担当者からよく聞かれる。筆者の元にも、賃貸借契約締結前に対象物件に設定された抵当権や、契約締結後に賃貸人が新たに設定した抵当権が賃借人の賃借権に不利な影響を及ぼしうるか、また、賃借人としての対応策などについての相談が、外資系企業から多数寄せられている。

本稿では、実例をあげて賃借権と抵当権との法的関係を説明し、賃借人の利益保護という観点から、賃貸借契約締結時の抵当権にかかる注意点を検討していきたい。

2.A社の事例

A社は今年、某市の繁華街に建つC社開発の高層ビル1~6階部分を一括して賃借するべく、賃貸人・B社と商談したところ、B社から次の説明がなされた。

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劉新宇

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