はじめに 本稿では、国家発展・改革委員会張平主任が全人代常務委員会に対して行った経済政策に関する報告、及びこれと同時に発表された人民日報の論説を紹介する。
1.国家発展・改革委員会張平主任の全人代常務委員会に対する報告(8月25日) 概要は以下のとおりである(新華網北京電2011年8月25日)。 (1)国際情勢判断 米国経済の第1・第2四半期の前期比成長率の年率換算をみると、それぞれ0.4%、1.3%[1]であり、昨年第4四半期の3.1%より明らかに低い。EU経済は成長力に欠け、日本経済の鈍化傾向はなお続いている。新興経済国・発展途上国の経済成長率はある程度反落している。 これと同時に、経済刺激政策のマイナス面の影響は更に顕わになり、インフレ圧力は引き続き増大し、ソブリン債問題は日増しに深刻となっている。新興経済国のインフレ率は引き続き高止まりとなっており、先進国のインフレ水準も総体として高ま……
田中 修