負担は増えるものの環境に強い日系企業にとっては追い風に
急速な経済発展に伴い深刻な環境汚染が広がる中国では、規制だけでなく、主要な汚染源となっている企業自身が、汚染防止を図るための制度の枠組みである「企業環境監督員制度」を導入するような制度の構築に向けて実証段階に入っている。これは、日本のJICA(国際協力機構)が日本の「公害防止管理者制度」を中国に紹介したことがきっかけになっている。
企業環境監督員制度とは
「企業環境監督員制度構築ガイドライン(暫定)」によると、まず企業内部に環境管理の組織的枠組みを作り、企業経営者、環境管理部門、工場責任者、工場環境管理員からなる内部環境管理責任体系を構築し、企業環境対策状況報告会を定期的・不定期的に開催し、企業の環境問題解決に取り組むという制度である。
まず1名の企業経営者が企業環境管理総責任者となり、環境……
大野木 昇司