長期的な人口減少による内需縮小が止まらない日本。企業の外需獲得は次の四半世紀の最大の課題となった。日本企業が過去に経験したことの無い新たな時代への突入である。日本は、日本企業は、本当の意味での開国を迫られるのだ。そして、この開国にはアジアマネーが重要な役割を果たすことになるだろう。
2000年以前の日本企業のアジア進出は、基本的には安価な労働力を求めた製造拠点としての進出が中心であった。とにかく品質の高い製品を安く製造することが最大の目的であった。アジアで安く製造した製品は、日本はもとより欧米先進国が消費してくれたからだ。 それが2000年代に入り、アジアは徐々に消費マーケットとしても魅力的な市場を形成していった。しかし、多くの日本企業はこれに出遅れてしまったのだ。最近になりようやく日本の内需縮小に諦めがつき、それを現実視できるようになった日本企業は、ここ数年、積極的にアジアシフト……
森辺 一樹