はじめに 本稿では、住宅価格の現状と、社会保障的性格をもつ住宅の建設に関する国務院の動向を紹介する。
1.住宅価格の動向 (1)国家統計局の発表 8月の全国70大中都市の新築住宅販売価格は前月比で16都市が低下し、30都市が同水準であった。前月比で下降・同水準の都市は7月に比べ15増加した。価格の上昇した都市では、上昇率幅は0.4%を超えておらず、上昇率が7月より減速した都市は8である。 前年同月比では、上昇率が反転したのが40都市であり、7月より14増加した。8月に前年同期比上昇率が5%以内の都市は45である。 1-8月期の全国分譲建物販売面積は5億9854万㎡で、前年同期比13.6%増となった。うち、分譲住宅販売面積は13.1%増である。1-8月期の分譲建物販売額は3兆3264億元、前年同期比25.9%増であった。うち、分譲住宅販売額は24.4%増である。 1-8月期のディベロッパーの資金源は5兆4738億元であり、前年同期……
田中 修