Q:中国側出資者との合弁企業設立に同意したものの、後日、相手当事者の「詐欺」を理由に、合弁契約の解除を求めることはできますか。
A:
1.合弁契約の解除
合弁契約の解除要件は厳しく要求されており、合弁契約に約定があればこれに従いますが、合弁契約に別段の定めがなければ、合弁企業法実施条例90条または契約法94条に基づき契約を解除することになります。この場合、中国側出資者の契約違反もしくは合弁企業の重大損失を証明しなければなりません。とくに、中国側出資者へ損害賠償を求めるには、中国側出資者の契約違反事実を証明する必要があります。 中国側出資者が合弁契約に違反しているわけではなく、単に合弁交渉において詐欺があっただけでは、合弁契約が無効になることはありません。この場合、外国側出資者の救済策として、詐欺による合弁契約の取り消しおよび損害賠償の請求が考えられます。
2.詐欺……
韓晏元