近年、コンピューターのフォントライブラリー権利侵害事件についての報道が増加しており、複数の世界トップ500社の中国での設立企業に関係している。このうち、比較的大きな影響をもたらした事件には、2007年の北大方正電子有限公司(以下「方正」という)がアメリカのブリザード・エンターテインメント社(以下「暴雪」という)等を方正フォントライブラリー著作権侵害を理由に提訴した事件が含まれる。
「方正」は、「暴雪」が自ら開発し、中国での運営を授権するオンラインゲーム(魔獣世界)において、許可を得ずに、方正北魏楷書、方正の型紙等の5つの方正フォントの大量複製、使用をし、方正フォントライブラリーの著作権を侵害したことを理由に、北京市高等人民法院(以下「北京高院」という)に提訴し、「暴雪」等に対し4.08億元の賠償請求を行った。最近(2010年3月)、北京高院は、「暴雪」等が、方正フォントライブラリーの美術作品の……
郭蔚