はじめに 今年に入り、中国の財政収入の伸びがかなり速く、これに関する話題が注目されている。このため、財政部の責任者が当面の財政のホットイシューについて回答を行った(新華網北京電2011年11月14日、京華時報11月15日)。以下はその概要である。
1.マクロ税負担水準 マクロ税負担とは政府収入の対GDP比であり、政府収入規模を量る重要指標であり、一国における国民所得分配への政府の参与の程度を反映したものである。財政部の責任者は、国際比較すると中国の現在のマクロ税負担水準は決して高くない、と表明している。 国際的に通用しているIMFの統計手法によれば、中国政府の財政収入は、公共財政収入以外にも、政府基金収入(国有土地使用権の譲渡収入を含まず)、国有資本経営予算収入、社会保険基金収入を含む。 この責任者の紹介によれば、IMFの手法に基づき計算すると、2010年の中国のマクロ税負担は26.4%、2009年は2……
田中 修