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はじめに 　11月16日、人民銀行は第3四半期貨幣政策執行報告を公表した。10月29日に開催された国務院常務会議では金融政策の方向性が全く示されていないので、これが人民銀行の考え方を知る重要な材料となる。以下その概要を紹介したい。

１．マネーサプライ 　9月末の段階ではM2は前年同期比13.0%増であった。これにつき、報告は、「マネー総量の伸びは平穏に戻ってきており、マクロ・コントロールの予期と穏健な金融政策の要求に符合している。このほか、2011年以降簿外財テクなどの金融イノベーションがM2に与えた影響要因を考慮すると、現在実体経済の実際のマネー条件はなお適度に合理的な水準を維持している」としている[1] 。 　また、金融機関の超過預金準備率は1.4％である。

２．人民元レート 　2010年末から2011年6月末までの対ドルレートの切上げ幅は4.21％である。2005年のレート改革以降では、対ドルは累計30.24％、対……

田中　修