アジア市場を獲得する上で最も重要と言っても過言ではないことが一つある。それはベンチマーク企業のケーススタディーを学び、そこから事業モデルと戦略を立てることである。
欧米と日本による経済支配はもはや過去の話となった。アジアの雇用と所得は拡大の一途を辿り、9億人の中間消費者市場(ボリュームゾーン)を創出し、アジア経済は一大マーケットに向かっている。 人口減少、少子高齢化により国内消費者市場が衰退していく日本企業にとって、アジア市場で勝ち残らなければこれ以上の成長は無い。 しかし、残念なことにまだまだプロダクトアウト(市場のニーズを意識せず、企業側の意向や技術を重視して製品やサービスを開発し、それらを市場に導入する考え方。)的な考え方を捨てきれないままアジア市場に挑む企業が少なくない。高度成長期の日本と現状のアジアを重ね、当時の日本は完全にプロダクトアウト市場だったため、それと……
森辺 一樹